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平成24年司法試験再現答案【民訴】

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モラトリアムもあとわずか

期待と不安に翻弄されるふわふわとした時は

大きく心を震わせるリアルへと変貌す


今年も発表は法務省へ見に行くよ♫
感情をより直接的に心に刻むために


さて、再現答案シリーズfinal

民事訴訟法!!!


平成24年司法試験再現答案【民訴】

第1、設問1(1)
1、当初の請求原因②を立証する場合
(1)本件連帯保証契約書は、連帯保証契約の主体であるXとBが作成したものであり、処分証書としての意味を持つ。処分証書は、文書の名義の申請(形式的証拠力)が立証されると、その内容の申請(実質的証拠力)も通常認められるという意味を持つ。
(2)そして、形式的証拠力(228条1項)については、「本人…署名又は押印」があれば推定される(228条4項、法定証拠法則)。「本人…署名又は押印」は本人の意思に基づくものであることを要するが、印章と印影の一致があれば、経験則上本人の意思に基づくことが推定される(事実上の事実推定)。
 本件では、Bは印章と印影の一致は認めているものの、印章はCに預けていたと主張しているのであるから、Bの意思に基づく押印であることを争っている。もっとも、前述のごとく印章と印影の一致があれば、本人の意思に基づく押印であることが事実上推定されるから、証明の必要性は、これをあらそうBが負うことになる。
 よって、Bの印章による印影が検出されていることは、証明の必要性をBに負担させるとの意味を持つ。

2、第2の請求原因③の事実を立証する場合
(1)本件連帯保証契約書の作成者はCであるが、請求原因③はBがCに対して代理権を授与したとの事実であるから、その意思の主体は作成者Cではなく、Bである。
 それゆえ、本件連帯保証契約書からBの意思を推認することはできない。そうだとすれば、本件連帯保証契約書の形式的証拠力が立証されたとしても、実質的証拠力が認められるという処分証書としての意味を持たない。
(2)また、Bの印章と印影が一致しているという事実も、作成者がCである以上、経験則上、Bの意思に基づくものであると推定する理由にはならない。
 もっとも、作成者CがBの印章を使用して押印したということが推認されるから、請求原因③との関係では、Bによる代理権授与を推認させる間接事実としての意味を持つ。

第2、設問1(2)
1、Pの見解は弁論主義に違反するという問題点がある。
2、当事者意思の尊重を趣旨とする弁論主義からは、当事者が弁論期日において主張しない事実を判決の基礎とすることはできないという原則が導かれる。これは、当事者意思の尊重とともに、当事者は弁論期日における当事者の主張にのみ注意を払うことができ、 当事者が弁論期日において主張していない事実を基礎として裁判官が判断することにより生じる不意打ちを防止するという機能を有する。
 かかる機能に照らせば、弁論主義は少なくとも主要事実には妥当することになる。
 本件で、裁判官が心証に従って、CがBの代理人として保証契約を締結したと認定して判決の基礎とする場合には、第2の請求原因②③が必要である。これは請求原因事実であって主要事実であるから、弁論主義が妥当する。
 代理構成か否かは共に本人に効果帰属する点においては同じであるが、請求原因②③の攻防と言う点を考えれば、この事実が当事者によって主張されていないにも関わらず判決の基礎とされると、当事者にとって不意打ちとなる。
3、よって、Pの見解には弁論主義違反という問題点がある。

第3、設問2
1、Bによる訴訟告知(53条)により、Cに参加的「効力」(46条)が及ぶのであれば、Cは①②の各事実を訴訟2において否認できない。
2、Cは以下の法律上の主張をする。
(1)まず、Cは「参加できる第三者」(53条1項)にはあたらず、「参加したものとみな」(53条4項)されず、参加的効力は生じないと主張する。
 「参加できる第三者」とは、補助参加の要件(42条)を満たすものをいうと解する。要件としては、①「訴訟の結果」について、②「利害関係」があることを要する。
ア、①について
 「訴訟の結果」とは、判決主文のみならず理由中の判断も含むと解するが、理由中の判断については、主文を導くために必要なものに限られると解する。
 ①②の各事実は、ともに表見代理の要件となる事実であるから、主文を導くために必要な事実であるといえる。
 よって、「訴訟の結果」の要件を充たす。
イ、②について
 「利害関係」とは、法律上の利害関係をいい、参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼすおそれのある関係をいうと解する。
 訴訟1でCの代理権が否定され、Bが敗訴した場合には、CはBから損害賠償請求を受け得る地位にあるから、Cの私法上の法的地位に影響を及ぼすおそれのある関係がある。
  よって、法律上の「利害関係」があるといえる。
ウ、以上より、Cは補助参加の要件を充たし、「参加できる第三者」にあたる。したがって、上記Cの主張は不当である。

(2)次に、Cは、訴訟告知を受けたが訴訟に参加していないから、この場合には参加的効力が生じるための要件は限定されるべきであり、Cには参加的効力は及ばないと主張する。
ア、判例は、かかる場合にも要件を限定せずに参加的効力を認めている。しかし、参加的効力が生じる趣旨である敗訴当事者間の公平・禁反言の理念に基づく敗訴責任の分配という点、および、訴訟告知が告知者のための制度であるとともに、被告知者のための制度であるという点から要件を限定すべきか否かを具体的事情に照らして検討すべきであると考える。
イ、確かに、本件BとCは代理権の存否について、Cはその存在を、Bはその不存在を主張するという相矛盾する主張をする利益を有する者であるから、両者が協力して訴訟を行い、その結果敗訴責任を公平に分担するという関係にはない。また、訴訟告知が被告知者のための制度であるという観点からしても、かかる場合には参加的効力を生じさせるべきではないとも思える。
 しかし、訴訟告知は告知者のための制度でもある。Bは訴訟1で代理権の存在を否定されて表見代理により敗訴し、Cとの後訴で代理権の存在を肯定されてCへの損害賠償請求も否定されることを避けるためにCへと訴訟告知をしていると考えられるところ、かかるBの利益を保護する必要がある。(こんなに丁寧には書いていないハズ。若干盛ってしまったなw)
 そこで、被告知者が告知者の訴訟に参加することが期待できるような状況にある場合、後訴で告知者から求償を受け得る場合などには、参加的効力が及ぶと考える。
ウ、本件では、Cは後訴でBから損害賠償請求を受けうる地位にあるのであるから、訴訟に参加して代理権の存在を主張することが期待される。
 よって、Cの主張は不当であり、Cに参加的効力が及ぶ。
3、以上より、Cの主張は不当であり、Cに参加的効力が及ぶため、Cは①②の各事実を否認できない。

第4、設問3
1、②の場合には、XのCに対する請求とBに対する請求が共に控訴審に継続し、弁論及び裁判を分離できない(41条1項、3項)という程度で審判の統一が図られる。
2、①の場合には、XのCに対する訴訟は控訴審に継続するがBに対する訴えは、Xが控訴していない以上は控訴審に継続しない。
 同時審判申出共同訴訟は通常共同訴訟であるから、共同訴訟人独立の原則(39条)が妥当するからである。かかる原則は当事者の手続保障や裁判を受ける権利に基づく重要な原則であるから同時審判よりも優先される。
 それゆえ、控訴審では審判の統一は図られないが、やむを得ない。

以上(2950字、5,5枚しか書いていないから、再現作成過程でついつい盛ってしまっている)

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平成24年司法試験再現答案【刑訴】

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今日、久しぶりにローの友人と、ガチで発表後のことなどについて話した。

恐怖以外の何者でもない!!!

天国と地獄

運命の分かれ道…

受かっていれば、次のステップを前向きに考えられる!
第2の人生のスタート!!

他方で、合格しなければ人生が前に進まない気がする…

だが、もう一年勉強する気力が湧く気がしない…

って、そんなこと、結果が出る前から気にしても仕方ない!
あと10日ちょい

全力で楽しんでやるぜ♫



さて、今日は刑訴ちゃん。

平成24年司法試験再現答案【刑訴】

第1、設問1【捜査①】
1、まず、乙宛の荷物に本件捜索差押許可状(218条、219条)の効力が及ぶか、検討する。
①本件荷物は令状呈示(222条1項・110条)後に受領され、「捜索すべき場所」たるT株式会社に所在するようになったものであること、及び、②令状記載の被疑者は甲であるところ本件荷物は乙宛の荷物であることから「捜索すべき…物」にあたるか問題となる。
(1)①について
 令状主義(憲法35条1項、法218条1項)の趣旨は、捜索差押えの対象について第三者たる令状裁判官の審査を経ることにより、一般的捜索差押えを防ぎ、もって被処分者の権利を保障する点にある。それゆえ、令状の効力の及ぶ範囲は、令状裁判官の審査を経た場所的範囲および時間的範囲に及ぶと解する。
 令状裁判官は、管理権を基準にその場所的範囲を審査すると考えられるところ、宅配便で届けられた荷物が受領され令状記載場所に所在する物となれば、新たな管理権の侵害は無い。
 また、令状裁判官は、令状呈示時ではなく、令状記載の期限を基準に時間的範囲を審査すると考えられるところ、令状記載の期限内に当該場所に存する物であれば令状の効力は及ぶと考えられる。
 本件では、令状執行中に届けられた物であるから、令状記載の期限内に捜索場所に存する物であるといえる。
 よって、①により令状の効力は否定されない。
(2)②について
ア、前述の令状主義の趣旨からすれば、令状裁判官の審査が及んでいる物に令状の効力が及ぶと考えられるところ、令状裁判官は「正当な理由」(憲法35条1項)の有無を審査していると考えられる。捜索の「正当な理由」とは、当該物について被疑事実に関連する証拠が存在する蓋然性があることをいうと解する。
 それゆえ、かかる蓋然性があれば、当該物は「捜索すべき…物」(219条1項)にあたると解する。
イ、本件では、甲が覚せい剤の密売を行っているうわさがあるとの情報提供が、覚せい剤取締法違反の検挙歴を有する者であり、T社の社長室で甲から覚せい剤の購入を勧められた者によってなされている。そして、T社事務所には上記情報提供者と同様に覚せい剤の検挙歴のある者数名が出入りしているのが確認されている。そうだとすれば、甲がT社の社長室で覚せい剤を売りさばいている可能性が高い。
 また、社長室の捜索時には、甲と同社の従業員である乙がおり、そこではチャック付きの小型ビニール袋100枚や注射器50本といった通常覚せい剤に使用される物であって、人材派遣会社であるT社には必要の無い物が発見されている。このことから、甲には覚せい剤取締法違反につき、高度の嫌疑があるといえる。
 そして、T社に届けられた宅配便荷物は、いずれも差出人はU株式会社という地番も電話番号も存在しない会社であり、いわゆるダミー会社である可能性が高く、伝票の筆跡や外箱が同じであることから、同一人物から送られたものであることが推認される。甲及び乙は、「今更返せない」「仕方ない」などと言い、荷物を足下に置くという不審な態度をとっている。
 さらに、甲の携帯電話には丙からの送信として、「ブツをおくる…10月5日午後3時過ぎには届く」とのメールがあり、この時刻は本件荷物が届いたときと一致するから、本件荷物は「ブツ」であることが強く推認される。そして、同メールには「二つに分ける…乙宛…2人でさばけ」と記載されており、また、甲が乙に送ったメールには「社長室に来い…ブツが届いたら2人で分ける」と記載されている。これらのメールから、本件捜索当時、乙は「ブツ」を分けるために社長室に来ていたと推認される。
 そして、「ブツ」がしばしば覚せい剤を指すものとして使用されることや、上述した甲の嫌疑や、上記事情を総合して考えると、「ブツ」は覚せい剤を指すと考えられる。
 以上より、乙宛の荷物には丙から送られてきた覚せい剤が存在する蓋然性があるといえ、「捜索すべき…物」にあたる。
 よって、②によっても令状の効力は否定されない。
(3)したがって、乙宛の荷物に令状の効力が及ぶ。
3、そして、前述の嫌疑の強さに加え、覚せい剤は水に流す等して証拠隠滅が容易なものであり、職務質問が功をそうさなかったことから、証拠隠滅を防ぐ必要性があることに照らせば、荷物の開封行為は相当であり、捜査比例の原則(憲法13条、31条)を充たす。
 よって、開封行為は「封を開け」(222条1項・111条1項)として適法である。
4、よって、捜査①は適法である。

第2、設問1【捜査②】
1、令状に基づく捜索
(1)T社更衣室内の乙のロッカーが「捜索すべき場所」にあたるか。
 前述の令状主義の趣旨からすれば、捜索場所についての「正当な理由」とは、被疑事実と関連する証拠が存在する蓋然性のある場所をいい、この場所が「捜索すべき場所」である。
 前述の乙の嫌疑、及び、乙が覚せい剤取締法違反の罪で現行犯逮捕されていることに照らせば、乙の所有物が入っている乙のロッカーには被疑事実に関連する証拠が存在する蓋然性が高い。
 よって、乙のロッカーは「捜索すべき場所」にあたる。
(2)前述の嫌疑及び捜索の必要性に照らせば、鍵を壊すのではなくマスターキーにより解錠する程度の行為は相当であり、「錠を開け」として適法である。
(3)よって、捜査②は適法である。

2、逮捕に伴う捜索
(1)220条1項1号の要件を充たすか。本件では乙が現行犯逮捕された場所は社長室であるが、捜索場所は社長室に隣接する更衣室にあるロッカーであることから「逮捕の現場」といえるか問題となる。
 令状主義の例外として逮捕に伴う無令状捜索(220条1項1号、3項)を許容した趣旨は、逮捕現場には被疑事実に関連する証拠が存在する蓋然性があるからである。同号の趣旨及び「現場」との文言に照らせば、「逮捕の現場」とは、原則として逮捕場所と同一管理権の及ぶ範囲をいうが、例外的に、証拠物が存在する蓋然性があり、逮捕場所と場所的な接着性があれば、当該場所も「逮捕の現場」にあたると解するのが相当である。
 本件では、甲は「社長の俺が管理」と発現しているが、「中の荷物は乙のもの…乙に聞いてくれ」とも発現しており、当該ロッカーは乙の管理権のある場所といえる。それゆえ、逮捕現場である社長室とロッカーは同一管理権の及ぶ範囲内にあるとはいえない。
 しかし、前述のごとく、乙のロッカーには証拠物が存在する蓋然性がある。また、社長室と更衣室はともにT社内にあり、隣接しているのであるから場所的接着性もある。
 よって、乙のロッカーは「逮捕の現場」といえ、同号の要件を充たす。
(2)また、令状に基づく捜索の場合と同様、「錠を開け」といえる。
3、以上より、捜査②は適法である。

第3、設問3
1、【資料2】の罪となるべき事実(335条1項)では、【資料1】の公訴事実には記載のない丙との共謀の事実が認定されている。訴因変更手続(312条)を減ることなく、かかる事実を認定することは適法か。訴因変更の要否が問題となる。
(1)訴因は検察官の主張する具体的犯罪事実であり、審判対象を画定する機能(識別機能)、及び被告人に対して防御の範囲を示す機能(告知機能)を有する。
 それゆえ、訴因変更の要否は、事実の変化の有無を上記機能に照らして判断する。具体的には、まず、審判対象画定の見地から訴因変更が必要かを判断し、次に、これが不要である場合であっても、一般的に被告人の防御の見地から訴因変更が必要か、必要だとしても、具体的な訴訟経過に照らして、被告人にとって不意打ちとならず、かつ不利益とならない場合には訴因変更は不要であると解する。
(2)ア、本件では、確かに、共謀は共同正犯の構成要件事実であるから識別機能の見地から訴因変更が必要であるとも思える。しかし、共同正犯は修正的な構成要件であるから、単独犯としての要件を充たすのであれば、訴因変更は不要であると考えるべきである。
 本件では、甲は単独で覚せい剤取締法41条の2第1項、2項の構成要件要素を充たしている。それゆえ、識別機能に照らして訴因変更は不要である。
イ、次に、告知機能についてみると、共同正犯であれば、自己の行為と因果関係のない共同被告人の行為も帰責されるため、一般的にみれば、訴因変更が必要である。
 しかし、本件では、甲及びBは共謀について主張しているのであるから、不意打ちとなることはない。また、共謀がある場合の方が甲の犯情は軽くなるのであるから甲にとって不利益であるとはいえない。
 よって、告知機能の観点からみても、訴因変更は不要である。
(3)以上より、訴因変更は不要である。

2、もっとも、共謀の上、との記載は「罪となるべき事実」の特定がなされたといえるか。罪となるべき事実の特定は、疑わしきは被告人の利益にの原則及び罪刑法定主義から要請されるものであるが、本件では甲に不利益はないのであるから、これらに反せず、適法である。
3、よって、適法である。

以上(3639時、5.5枚)
共謀の証明がされていない点について、333条1項との関係について書くべきか迷ったが、「証明
力の評価…問題ない」との記載はこれを除く趣旨だと判断して書かなかった。捜査のあてはめで
調子に乗ってたら時間もなくなってたし…。

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【平成24年司法試験】3日目の感想(再現答案構成刑事系)





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平成24年司法試験再現答案【商法】

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いよいよ発表も近づいてきて…
再現答案シリーズも残すところあと3科目

今日は、本年度司法試験で、最もやばい商法を公開しちゃいます(><)
商法と民法は、周りができていないことを祈るしかない!
他力本願w



平成24年司法試験再現答案【商法】

第1、設問1
1、BCDPを取締役に選任した22年年総会について、決議内容の法令違反(830条2項)があり、無効とならないか。Q,Rは議決権の数の過半数の得票数を得ているにもかかわらず、両名を選任しなかったことが法令(329条1項、309条1項)に違反しないか問題となる。
2、甲社の定款(c)によれば、取締役の員数は6名以内とされているが、本件では既に取締役であるHを除けば、取締役は5名までしか選任できないところ、22年総会では6名の候補者が議決権の過半数を取得している。また、22年総会ではAら4名の取締役の任期が満了することを受けて取締役の選任決議がなされているのであるから、4名を選任することには合理性がある。
 そうだとしても、Hが、Pの得票数を集計した時点でQ及びRの得票数については集計しないでBら4名が選任された旨を宣言した点は329条1項の趣旨に反し、違法ではないか。
 そもそも、同条項は、会社の業務執行権限を有する取締役の選任について、株式会社の所有者である株主の意思を反映させようとした趣旨の規定である。かかる株主意思の尊重という同条項の趣旨に照らせば、得票数の多い候補者から順に選任すべきである。
 本件では、Q,RはBよりも多い得票数を得ている。しかるに、Bを選任し、Qらを選任しなかったHの行為は、議長の裁量権(315条)を逸脱するものであり、329条1項の趣旨に違反する。
3、以上より、22年総会は決議内容の法令(329条1項、309条1項)があり無効である。

第2、設問2
1、(1)について
(1)Aは、甲社の株主であるから、Hの本件貸付けの差止請求(360条1項、3項)、職務執行停止の仮処分申請(民事執行法23条2項)をする。
 差止請求の要件は、①「法令…違反」、②「当該行為によって」、③「回復することができない損害」「が生じるおそれ」があることである。
ア、①について
 本件貸付けは、甲社が乙社に対してなしたものである。乙社はその株主も取締役もPだけの会社であるから、乙社とPは同視できる。そして、Pは甲社の「取締役」(356条1項2号)であるから、利益相反直接取引にあたる。前述のごとく、22年総会が無効であり、Pが「取締役」といえないとしても、同条号の趣旨は妥当する。それゆえ、本件貸付けについて取締役会決議が必要(365条1項)が必要である。しかし、本件では、前述のごとく22年総会は無効である。そして、本件貸付けを承認した取締役会は22年総会で選任された取締役により構成されているので、瑕疵があり、一般原則に従い無効となる。よって、法令(365条1項・356条1項2号)違反がある。
 また、本件貸付け金額は15億円とそれ自体で高額であり、甲社の資本金30億円の半分に相当する。甲社の業績及び株価が下落の一途をたどる状況にあることをも合わせて考えれば、資本金の半分に相当する15億円もの金額を無担保で貸し付ける行為は、甲社の財産的基盤に対して大きな影響を与える行為であるから「重要な財産の処分」(362条4項1号)にあたる。しかるに、本件では取締役会決議はない。よって、法令(362条4項1号)違反がある。
 さらに、乙社は甲社の株主であることから、乙社に対して無担保で貸付けを行うことは、利益供与にあたり得る(120条1項、2項)。これにあたる場合には法令違反がある。
イ、本件貸付金が回収できなければ、甲社は15億円の損害を被るおそれがある。前述のごとく、甲社の経営状況は悪化していることからすれば、甲社の資本金額の半分に相当する15億円の損害は、甲社を倒産させる危険のある損害であるといえるから、事後的な金銭賠償では回復することが著しく困難な損害といえる。よって、「当該行為によって」、「回復することができない損害」が生じるおそれがある(②、③)。
ウ、したがって、差止請求の要件をみたす。
 よって、Aによる差止請求は認められる。
(2)Fは甲社の監査役として、本件貸付けの差止請求(385条1項)、職務執行停止の仮処分申請をする。
  同条項の要件は、損害について「著しい損害」で足りることの他は、株主の差止請求の要件と同じである。それゆえ、かかる請求も認められる。

2、(2)について
(1)まず、Aは株主代表訴訟(847条1項、3項)を提起して、Hらの損害賠償責任(423条1項)を追求する。Fは監査役であるから、会社を代表して(386条1項)、上記責任追及訴訟を提起する。また、Aは解任請求(339条、854条1項)という責任追及をすることも考えられる。
(2)では、Hらは損害賠償責任を負うか。
 まず、法令違反行為があれば、「任務を怠った」といえるところ、前述のごとく本件貸付けは法令違反である。
 また、本件貸付けは利益相反取引にあたるところ、Pは利益相反取締役であるから423条3項1号により任務懈怠が推定され、428条1項により無過失責任を負う。
 H、Dは取締役会決議で賛成しているから、423条3項3号により任務懈怠が推定されるところ、本件ではこれを覆す事情はない。また、過失も認められる。
 甲社は本件貸付けの返済が受けられなかったことにより、15億円の損害を被っている。それゆえ、Hらの任務懈怠とかかる損害との間の因果関係がある。
 よって、Hらは15億円の損害賠償責任を負う。
(3)以上より、損害賠償責任の追及ができる。

第3、設問3
1、Hは23年総会においてFの発言を制止していることが決議方法の法令(383条1項)違反とならないか。
 監査役たるFには株主総会への出席と発言につき義務と権利を有するから、発言を求めた監査役を制止することは同条項に違反する。
 よって、決議方法の法令違反がある。
2、議案①と議案②は…
未完、修習編か来年度の司法試験へと続く…(2360字)
商法はやばい…。条文が不適切。条文が見つからなくて探してたら時間も…。中身もごちゃっと
してしまった…。


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平成24年司法試験再現答案【国際私法】

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海に行ってきたよ〜♫

ハゼとセイゴを釣って
素潜りでサザエを穫って

おいしいお酒とともにいただきました



さて、今日はわりと得意な国際私法!


平成24年司法試験再現答案【国際私法】
【第1問】
第1、設問1(1) 
 後見開始の審判については、法の適用に関する通則法(以下省略)5条が、その国際裁判管轄と準拠法を定める。これは、後見開始の審判について裁判所が馴染みのある法を適用することにより適切かつ迅速な処理を図り、もって被後見人の保護を図る趣旨に基づく。
 同条は、被後見人の住所、居所、国籍について選択的連結を定める。その趣旨は、後見開始の審判の成立を容易にすることにより被後見人の保護を図る点にある。
 本件では、被後見人たるAは、20年前に来日し、以後、日本において生活していたのであるから、Aの住所または居所が日本にあるといえる。
 よって、日本の裁判所に国際裁判管轄が認められ、日本法が準拠法となる。
(5条の趣旨を正確に思い出せずにごちゃごちゃ書いた。ナンバリングはしたか不明。)

第2、設問1(2)
 後見人の選任は「後見」(35条)と法性決定できる。
 同条1項は、後見等が身分関係であり当事者の属人法との関連が強いことから、被後見人の本国法を準拠法として定めている。同条2項2号は、外国人について日本において後見開始の審判があった場合において、日本法を準拠法と定める。これは、後見開始の審判と同一の法を適用することによることの便宜を考慮して被後見人の保護を図る趣旨の規定である。
 本件では、Aにつき日本の裁判所が後見開始の審判をしているので、日本の裁判所は日本法を準拠法としてBを後見人に選任することができる。
(35条1項は趣旨を省略していた可能性もある。2項2号の趣旨はそれっぽいことを書いた記憶がある…)

第3、設問1(3)
1、被後見人であるAが後見人Bの同意なく、Xを認知できるか否かの問題は、被後見人Aの認知適格の問題であるから、嫡出でない子の親子関係の成立(29条)の問題と法性決定できる。
2、同条は、この出生当時の父の本国法(同条1項前段)、認知当時の認知する者(父)の本国法、子の本国法の選択的連結を定める。その趣旨は親子関係の成立を容易にすることにより子の福祉を図る点にある。また、29条1項後段は、認知する者(父)の本国法が準拠法となった場合に、子の本国法による同意等の要件をも備えることを要求する(いわゆるセーフガード条項)。
 セーフガード条項は子の福祉を図る規定であるから、「第三者」とは、子の福祉のために同意をすることが期待できる者をいうと解する。父の後見人はこれにあたらない。それゆえ、同条により後見人Bの同意が必要となることはない。
3、本件では、この出生時の父の本国法、認知当時の認知する者(父)の本国法、子の本国法は全て甲国法である。よって、甲国法が準拠法となる。
 甲国法②は、被後見人の認知について後見人の同意を要しないと定める。
4、よって、Aが後見人Bの同意なく、Xを認知できる。

第4、設問2
1、XはAの死亡後2年6ヶ月を経過した時に認知の訴えを提起している。認知の訴えの出訴期間について甲国法①は2年と定め、日本民法787条ただし書は3年と定める。そのため、認知の訴えの出訴期間の準拠法が問題となる。
2、出訴期間について、手続法上の問題であるとして法廷地法を準拠法とする見解もある。しかし、出訴期間は当該権利がいつまで行使可能かという当該権利の運命の問題であるから、実体法上の問題であり、当該権利の準拠法によるべきであると考える。本件では認知訴権の効力の問題であるから、非嫡出親子関係の問題と法性決定すべきである。
 前述のごとく、A及びXの本国法は甲国法であるから、甲国法が準拠法となるとも思える。
3、もっとも、甲国国際私法P条が子の常居所地法をも準拠法と定めていることから、反致(41条)の成否が問題となる。
 まず、29条は選択的連結を定めるが、判決の国際的調和という41条の趣旨、及び同条の解釈として選択的連結を除外していると解するのは困難であることから、選択的連結においても反致規定の適用はあると考える。
 次に、「その国の法」たる当事者の本国国際私法たるP条によれば、「日本法によるべき」といえるかが問題となる。P条は、父が認知前に死亡した場合については、死亡当時の父の本国法を準拠法と定めていると解されるから、「日本法によるべき」とはいえない。
 よって、反致は認められず、甲国法が準拠法となる。
4、したがって、この訴えは甲国法①に反し、違法である。
以上(1816字)
(やらかした~。P条を読み間違えた。なんかおかしいと思ってたんだよね…。「訴えは適法か」という謎の設問形式だったため、管轄も書こうかとおもったが、時間不足のため省略した。)

【第2問】
第1、設問1(1)
1、国際裁判管轄の有無は、訴え提起がなされた裁判所所在地国の法によって決せられる。本件では、日本の国際裁判管轄規定によって決せられる。民事訴訟法3条の2以下は、財産法分野における国際裁判管轄を定める。同法は、マレーシア航空事件判例やファミリー事件判例で確立された枠組みを採用している。具体的には、3条の2以下で管轄を基礎づける事由(管轄原因)を規定し、管轄原因が日本にある場合には「特別の事情」(3条の9)を検討する。
2、では、本件訴えについて、日本の裁判所に管轄原因はあるか。
(1)3条の2第3項は法人の普通裁判籍を定める。マレーシア航空事件判例では、いわゆる支店による普通裁判籍を認めたが、これは応訴を強制される被告の利益の保護を図るという被告住所地原則の趣旨を没却するため妥当ではないところ、同項は、「主たる…事務所」と定めることにより支店による普通裁判籍を否定する。
 よって、主たる営業所が甲国にあるYに対する本件訴訟においては、同項によって管轄原因は認められない。
(2)また、Yは日本に営業所を有していないから、3条の3第4号によって管轄原因を認めることはできない。さらに、日本に財産を有していないから、3条の3第3号によって管轄原因を認めることもできない。
(3)では、3条の3第5号によって管轄原因を認めることはできるか。
 同号は、支店を有していない会社でもインターネット等を利用して日本において継続的に営業をしている会社について日本に管轄原因を認める規定である。
ア、まず、Yは、日本語表記のウェブサイトを通じて日本においてG等を販売しており、日本で継続的な取引をしているといえるから「日本において事業を行う者」といえる。
 また、Yは日本の弁護士を日本における代表者として定めて外国会社として登録している(会社法~条忘れた)から、「日本おいて取引を継続する外国会社」ともいえる。
イ、次に、「業務に関する」訴えについてみると、過剰管轄を排する必要があるため「業務に関する」とは、抽象的な業務関連性では足りず、当該会社の日本における具体的な業務との関連性が必要であると解するのが相当である。
 本件訴えは、本件サイトからGの購入を問い合わせ、日本に派遣されたYの担当者と交渉したXが東京において締結した売買契約の債務不履行請求訴訟である。それゆえ、本件訴えは、Yの具体的な業務との関連性がある。
 よって、「業務に関する」訴えといえる。
ウ、したがって、3条の3第5号の要件を充たし、同号により管轄原因が認められる。
3、以上より、本件訴えにつき、日本の裁判所の国際裁判管轄権を基礎づける事由がある。
 なお、本件では、契約締結地が日本であることなどから「特別の事情」は認められない。

第2、設問1(2)
1(1)まず、XYが「営業所異なる国に所在」(条約1条(1)柱書)する当事者間といえるか検討する。
 Xの主たる営業所は日本にある。そして、Yの主たる営業所は甲国にあることなどからすれば、当事者が想定していた営業所(条約10条(a))は甲国の主たる営業所であるといえる。
 よって、XとYは「営業所異なる国に所在」(条約1条(1)柱書)する当事者といえる。
(2)次に、本件売買契約は、仮にYがGを生産して供給する契約であるとしても売買といえる(条約3条(1)本文)から、「物品売買契約」(条約1条(1)柱書)といえる。
2、また、法の適用に関する通則法(以下省略)によれば、本件売買契約の準拠法は日本法となるのであるから「国際私法の準則によれば締約国の法の適用が導かれる場合」(条約1条(1)(b))といえる。
3、それゆえ、当事者間で条約の適用を排除する合意が無い限り(条約6条)、Xの請求につき条約を適用することができる。

第3、設問2
1、まず、Zは、個人として私用のためにGを購入しているから、YZ間の売買は「個人用…売買」(条約3条(a)本文)といえる。また、ZはYの個人顧客向けのページからGを購入しているのであるから、同条ただし書にもあたらない。よって、条約の適用は無い。
2、次に、P法Q条は日本法の規定であるから、その適用があるか、準拠法が問題となる。
(1)契約成立にかかる意思表示の瑕疵について、瑕疵ある意思表示に基づいて選択された法によってその準拠法を決定するのは背理であるとして国際私法独自に判断すべきとする見解がある。
 しかし、この見解は基準が不明確で妥当ではない。また、契約における意思表示の瑕疵の問題は契約の成立の問題であるから「法律行為の成立」(7条)と法性決定すべきである。
 本件では、ZとYが甲国法を準拠法とする旨の合意をしているので、甲国法が準拠法となる。
(2)しかし、本件契約は、消費者契約(11条1項)にあたる。そのため、消費者たるZがその常居所地法たる日本法の強行法規であるP法Q条のを適用すべき意思表示をすれば、適用除外規定にあたらない限り、これも適用される。
ア、11条6項1号本文は、消費者が事業者の地へ「赴いて」契約を締結した場合に適用除外を規定する。これは、かかる場合には、事業者の予測可能性を確保する必要があること、及び、消費者を保護する必要がないことを趣旨とする規定である。
 本件では、ZはYの運営する本件サイトを通じて売買契約を締結しているが、このような場合には、事業者の予測可能性は阻害されず、また、消費者たるZを保護する必要がないとはいえないため、「赴いて」にはあたらない。
 よって、本件では同号本文の適用除外規定は妥当しない。
イ、また、同項2号ないし4号の適用除外規定も妥当しない。
ウ、よって、ZがP法Q条を適用すべき意思表示をした場合には、これが適用される。この場合、消費者保護という同条の趣旨からすれば、具体的にP法Q条を特定する必要は無く、日本の消費者保護規定を適用すべき意思表示をすれば足りると考える。
(3)では、Zがかかる意思表示をしない場合にもP法Q条を適用できるか。いわゆる絶対的強行法規の特別連結が問題となる。
 その地の法秩序を保護するための規定である絶対的強行法規は、準拠法いかんにかかわりなく適用されると考える。
 P法Q条は、電子消費者契約における消費者を保護するという、日本の法秩序を保護するための規定であり、絶対的強行法規にあたると解する。
 それゆえ、Zが適用の意思表示をしない場合にも同条項は適用される。
(しまった。不当利得との関係を論じるのを忘れてしまった。模試ではできたのに…)
以上(2690字)


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平成24年司法試験再現答案【刑法】

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おはよ〜

今日は刑法だぜ!!!


平成24年司法試験再現答案【刑法】


第1、甲の罪責
1、甲がDとの間で本件土地について抵当権設定契約を締結し、Dが登記を備えたことについて、Aに対する業務上横領罪(253条、252条1項)は成立するか。
(1)まず、自己の「占有」とは、濫用のおそれのある支配力を有することをいう。甲はA社の代表社員であり、不動産の処分・管理権を有していたのであるから、本件土地について濫用のおそ れの支配力を有しており、「占有」していたといえる。
(2)次に、甲はA社の代表社員として、社会生活上の地位に基づき反復継続してA社の所有する土地を占有していたのであるから、「業務」上占有していたといえる。
(3)また、甲はA社の代表社員として、A社との委託信任関係に基づき、A社の所有物であり「他人の物」といえる本件土地を占有していた。
(4)そして、「横領」したとは、不法領得の意思の発現行為をいい、所有者でなければできないような態様での処分をいう。また、背任罪(247条)との区別の観点から、権限を逸脱してなされるものであることを要すると解すべきである。
 本件では、A社においては利益相反取引について、社員総会の承認が必要であるにもかかわらず、甲はこれを経ていない。また、本件抵当権設定契約とともに締結した本件消費貸借契約により借り入れた1億円について、甲は自己の賭博費用で生じた借金の返済に充てている。これらの事情に照らせば、甲は、代表社員として有する権限を逸脱し、不法領得の意思の発現行為として本件抵当権設定契約を締結し、登記を備えさせたといえる。
 よって、「横領」したといえる。
(5)甲には、上記事情についての認識・認容があり、故意(38条1項本文)がある。
 以上より、業務上横領罪が成立する。
2、甲が社員総会議事録を作成した行為について、有印私文書偽造罪(159条1項)は成立するか。
(1)まず、社員総会議事録は、実社会生活において交渉を有する事項を証明するに足りる文書であるから、「事実証明に関する文書」といえる。
(2)では、「偽造」したといえるか。
 「偽造」とは、名義人と作成者の人格の同一性を偽ることをいう。名義人とは文書から理解される意思の主体であり、作成者とは文書に観念を表示させた意思の主体をいう。同罪の保護法益は文書に対する社会の信頼であることから、かかる保護法益に照らして定義に該当するかを判断する。
 本件では、A社の定款によれば、利益相反取引については社員の互選により選任された社員総会議事録作成者がこれを作成することとなっている。そうだとすれば、文書から理解される意思の主体は、互選により選任された議事録作成者たる代表社員甲であるといえる。
 他方、甲は社員の互選により選任されていないのであるから、作成者は単なる代表社員甲である。それゆえ、名義人と作成者の同一性にそごがある。
 よって、「偽造」したといえる。
(3)本件議事録には、議事録作成者代表社員甲との署名押印があるから、本件議事録は「他人…印章若しくは署名…使用」して作成されたものである。
(4)甲は、これをDに交付し、真正なものと認識させる意思で作成したのであるから、「行使の目的」がある。
 以上より、有印私文書偽造罪が成立する。
3、また、甲はこれをDに交付して真正なものと認識させているから、同行使罪(161条1項)が成立する。
4、では、甲が本件議事録をDに交付し、本件消費貸借契約を締結し、1億円の交付を受けたことにつき、Dに対する詐欺罪(246条1項)が成立するか。
(1)「人を欺いて」とは、経済的にみて重要な事実について錯誤に陥れ、その点について錯誤がなければ処分行為をしなかったような行為をいうと解する。
 1億円の貸付は高額であり通常は担保を要するものであり、また、Dは担保を提供してくれるのであれば融資に応じてもいいと言っているのであるから、担保の有無、会社所有の本件土地についての担保提供に関する会社の承認の有無は、経済的に見て重要な事実である。
 よって、本件議事録を交付する行為は「人を欺いて」といえる。
(2)Dは承認手続が適正に行われ、抵当権設定契約が有効に成立していると信じているのであるから、錯誤があり、1億円の交付(処分行為)はこれに基づく。
(3)また、Dは利益相反取引について会社の承認がないことについて善意無過失であるから、有効に抵当権を取得しうる。しかし、詐欺罪は個別財産に対する罪であるところ、当該事実につき錯誤が無ければ交付しなかったような財産の交付それ自体が「損害」であると解する。
 本件でも、A社の承認がなければ、Dは後にA社との間で争いが生じることが想定されるため、この点について錯誤が無ければ1億円の交付はしなかったといえる。
 よって、Dには1億円の「損害」がある。
(4)以上より、Dに対する詐欺罪が成立する。
5、有印私文書偽造、同行使、詐欺の3つの罪は、罪質上通例手段目的の関係にあるから牽連犯(54条1項後段)となる。これと業務上横領罪は、社会的通念上一個の行為でなされているといえるから観念的競合(同項前段)となる。
 なお、抵当権設定登記を抹消させた行為は犯罪成立後の不可罰的事後行為であって、犯罪を構成しない。
6、甲がEに対して本件土地を売却し、登記させた行為について、Aに対する業務上横領罪が成立するか。本件土地について、Aに対する業務上横領罪はDへの抵当権設定契約・登記により既に成立しているため、いわゆる横領後の横領が成立するか問題となる。
(1)Dに対する横領罪が成立したからといって、甲にとって本件土地が「他人の物」であることにはかわりがない。また、甲とAとの委託信任関係についても、抵当権設定による所有権侵害よりも売却による所有権侵害の方が大きいことをも併せて考えれば、完全に破壊されたとはいえず、残存すると考える。
 よって、横領後であっても、甲には業務上横領罪が成立する。
(2)抵当権設定による業務上横領罪と、上記業務上横領罪は、同一の土地、客体に対する罪ではあるが、後者は前者がなされてから1年以上後になされたものであって時間的な接着性を有しない別個の行為であると評価できる。それゆえ、両罪は併合罪(45条前段)となる。
7(1)甲のEへの売却について、Dに対する横領罪は成立しない。なぜなら、「他人の物」とは、他人の所有物を指すところ、抵当権者たるDは本件土地についての所有権を有しないからである。
(2)では、背任罪(247条)は成立するか。
ア、甲は抵当権設定者であるから、抵当権者のために抵当権を保持する義務を負う。また、甲はDとの間で抵当権設定登記を抹消させても他に売却しないと約束している。それゆえ、甲は、Dのために抵当権を保持し、他に売却しないという義務を負うといえるから「他人のため…事務を処理する者」といえる。
イ、また、甲は、上記義務に反して、他人のための事務処理者として期待される信任関係を破っているから、Eへの売却は「任務に背く行為」といえる。
ウ、さらに、甲は売却代金を自己の暴力団関係者に対する債務の返済に充てるためにEへの売却を行っているから「自己…利益を図る…目的」がある。
エ、これにより、Dは抵当権をEへ対抗できなくなっており、本件土地について全体財産に対する「損害」が生じている。
 以上より、背任罪が成立する。
8、さらに、Eは上記事情をしれば、売買契約を締結しなかったといえるから、Eに対する詐欺罪が成立する。
9、上記3つの罪は、1つの行為によりなされているから観念的競合となる。

第2、乙の罪責
1、甲のEに対する本件土地の売却について成立する上記3つの罪について、乙に共同正犯(60条)ないしは教唆犯(61条1項)が成立するか。
 乙は、売買の仲介を行う者であるところ、このような仲介者の行為がすべて共犯になるとすると、取引の自由を害するため、成立範囲を限定する必要がある。具体的に、積極的な働きかけがある場合に限り共犯が成立すると考える。
 本件では、甲は、乙の申入に対して事情を説明して拒絶していたところ、上記の事情を全て認識していた乙が甲を説得したことにより甲は売却を決意している。それゆえ、乙は積極的に働きかけをしたといえる。
 よって、乙に共犯が成立する。
2、では、乙は共同正犯となるか、教唆となるか。
 共同正犯は正犯であることから、両者の区別は、自己の意思に基づいて行為をなしたといえるか否かにより判断する。
 本件では、乙は売却代金1億円の10分の1にあたる1000万円の手数料しか得ていない。しかし、乙は、その他にもEからも仲介手数料300万円を得ている。また、本件売買は乙が持ちかけたものであること、及び乙の積極的な働きかけによって甲が決意をしていること、乙は売買の仲介をしていることに照らせば、乙は重要な役割を果たしたといえる。
 よって、乙は自己の意思に基づいて犯罪を行ったといえ、共同正犯となる。
3、以上より、乙は上記3つの罪の共同正犯が成立する。
 なお、乙は、共同正犯であるから、盗品等有償処分あっせん罪(256条2項)は成立しない。
以上(3690字、6.5枚)


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【平成24年司法試験】3日目の感想(再現答案構成刑事系)

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プロフィール

Author:devilsadvocate(弁護士 若林 翔)
・平成23年新司法試験不合格(2300位)
・平成24年司法試験でリベンジできていることを願っていた
・同年司法試験合格
・66期司法修習生
・弁護士(東京都新宿区)
・選択科目は国際私法
・慶應LS(既習)卒業(2011年)

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